冊子・宇治名勝案内附宇治川ライン鳥瞰図(昭和5年・吉田初三郎作画)

宇治川ライン001
戦前に全国の数多くの鳥瞰図を作成し「大正広重」と称され人気を博した吉田初三郎の作による宇治市と宇治川ラインの鳥瞰図です。昭和5年に作成されたこの鳥瞰図のパンフレットは、古くから名勝地であった宇治を紹介するパンフレットとして作成されたものと思われます。
宇治川ライン鳥瞰図ブログ用
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宇治市及び宇治川ラインの鳥瞰図全図。「初三郎式」と呼ばれる鳥瞰図は普通ではまずその場所からは見ることができない景色も描かれていることが特徴で、この鳥瞰図にも富士山や朝鮮半島の釜山まで描かれています。

以下、鳥瞰図に描かれている箇所をピックアップして紹介していきます。続きを読むよりご覧ください。

宇治川ライン1
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宇治市街地の部分。町役場を中心として、宇治駅・警察署・郵便局・島本銀行・工兵廠舎が描かれています。
以下、大正天皇即位の礼を記念して発行された「京都府久世郡写真帖(大正3年)」より掲載されている各施設の画像を紹介します。
宇治駅
宇治駅。
宇治警察署
宇治警察署。
久世郡役所
久世郡役所。
宇治郵便局
宇治郵便局。伝統的な町屋建築をそのまま使用した感じです。
島本銀行
島本銀行。島本銀行は明治34年に開業した銀行で、大正10年に廃業。大正9年に新たに株式会社島本銀行が後継として設立されました。大正4年発行の京都府久世郡写真帖の島本銀行は前身のもので、鳥瞰図の島本銀行は後継のものと思われます。
陸軍工兵廠舎
陸軍工兵廠舎。明治42年に設立した工兵隊の演習場で、大阪第四師団や京都第十六師団所属の工兵隊が利用しました。
宇治川ライン2
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黄檗駅近辺。黄檗駅の側には明治29年に設立した陸軍造兵廠宇治火薬製造所がありました。敷地は現在の陸上自衛隊宇治駐屯地と京都大学宇治キャンパス・東宇治中学校にまで広がる広大なものでした。
宇治火薬製造所1
陸上自衛隊宇治駐屯地や京大宇治キャンパスには明治から昭和に至るまでの宇治火薬製造所時代の建物が数多く残されています。これは宇治駐屯地内の旧給水塔。
宇治火薬製造所3
史料館となっている第一事務所。
宇治火薬製造所2
その他、煉瓦造りの建物や木造の建物、昭和戦前期の鉄筋コンクリート造の建物等数多くが残されています。
これほど大規模な宇治火薬製造所ですが、鳥瞰図には描かれていません。恐らく火薬を製造する軍の工場という性格から、軍事機密扱いされていたためと思われます。
宇治川ライン3
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宇治川沿いにある発電所群。宇治川発電所と志津川発電所・そして大峰ダムと大峯発電所が描かれています。
うち、宇治川発電所と志津川発電所の建物は現存しています。
ujigawa.jpg
20年前に撮影した宇治発電所。大正2年に完成した煉瓦造の大きな建物です。現在も関西電力宇治発電所として現役で使用されています。
shizugawa.jpg
20年前に撮影した旧志津川発電所。志津川発電所は大正12年に完成した煉瓦造の建物ですが、天ヶ瀬ダムの完成により昭和39年に廃止。現在は民間の水利研究施設として使用されています。
さらに上流には大正15年完成の大峯ダムと大峯発電所がありましたが、現在は天ヶ瀬ダムの湖底に沈み、その姿を見ることは出来ません。
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