武田五一邸 (武田五一による自邸の論文より。)

武田001
以前紹介した昭和14年刊の「新時代の住宅建築構造図解」内に収録された
建築家・武田五一の自邸についての論文です。
かつて日本建築協会雑誌に掲載された武田五一の論文が
この本を出版するにあたって収録されたとあります。
14ページにわたって自邸についての建設までのいきさつや各部屋の解説がなされています。
文章全てを引用するのは難しいので、写真と各部屋の解説の概要を紹介します。

下の「続きを読む」からご覧ください
武田001
まずは、上にも貼りました武田五一邸の外観です。
武田邸は京都市北区小山上総町に建てられました。
設計は武田五一自身。施工は論文によれば大林組。完成は昭和4年6月11日。
様式に関しては書かれてませんが、写真を見ると和洋折衷のような感じがします。

以下、各部屋と設備についての解説を解説順に抜粋し紹介します。
武田002
※平面図。

武田003
※玄関。

●浴室
タイル張りでステンドグラスをはめ、浴槽はエナメル引きの長州風呂。
シャワーを設置し、天井はアーチ型。

●台所
流しの前の床は高砂ゴム製のゴムタイル。その他は松の床板。
腰羽目はリノリューム張り。
床下は貯蔵用の地下室を設け、全て白ペンキ塗り仕上げ。

●納戸
納戸は天窓で窓は開かない作り。
換気は床の中央にある格子より天井下の隙間より。

●女中室
床はコルク敷きで窓は西窓。鉄の格子がはめられている。

●電話
客室と寝室と台所に設置。切り替え式でそれぞれの部屋に回すことができる。

●書斎
武田004
書斎は洋室。三方の壁は作りつけの書棚。南側の1面に明かり取り窓。

●二階の居室は全て畳敷きの和室で、便所と浴室を二階にも設けているが、
それは、子供や孫が泊まりに来た時に二階で全て過ごせるようにするため。
また、東北隅にテラスを設け、北山の夜景や夜涼み用に使用。

●寝室
寝室は畳敷きの和室。これについては、武田五一自身がベッドを好まず
もっぱら畳の上に布団を敷く方がよいとの考えと書いてあります。

●庭園
大阪市公園課長の椎原兵市氏によって作成。
鉄平石のテラスと睡蓮の池、噴水を設け、芝生を張っていたようです。
松は植えなかったと書いてますが、理由は松につく虫が嫌で、
植木屋につけ狙われるのが好ましくないとのこと。

武田005
応接室の図版はありますが、解説はありません。

ざっと抜粋し紹介して見ました。
武田五一の邸宅だけにこだわりや武田自身の好みや主観などが反映されてて、
中々興味深い論文です。

ところで、この武田五一邸は離れのみ現存しています。
下記のリンクのサイトによると、平屋部分が現存していて、
平面図で言うところの食堂・台所・応接室・女中部屋・納戸のあった棟でしょうか。
現存しているのは一部ですが、装飾タイルやステンドグラスなどが残り、
往時の姿を伝えています。

参考サイト・旧武田五一邸離れ(レトロな建物を訪ねて)


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