古絵葉書・京都アパート

京都アパートメント002
京都アパートは百万遍の近く、昭和6年に建てられた鉄筋コンクリート造の近代的なアパートです。
戦前のRC造の近代的な集合住宅は関東大震災後に建てられた東京の同潤会アパートなどが有名ですが、
大正時代以降会社勤めの中流家庭が増えたことにより、そういった層を対象とした
このような集合住宅が増えました。
しかし、大正昭和初期の集合住宅はまだまだ木造が主流であり、こういった近代的な構造と設備を持つ
アパートメントは庶民の憧れでもありました。
この絵葉書は京都アパートの記念品かお土産品として作られたものと思われます。
当時は絵葉書になるくらいの名所だったのかもしれません。
袋の中には外観と内部の計4枚の絵葉書が入っています。
続きを読むからご覧ください。

※2015年12月23日に新たに絵葉書セットとして入手しましたので、記事を加筆修正しました。
京都アパート001
京都アパート外観。昭和戦前期に流行し始めた装飾を排した機能主義建築です。
ただし奥の6階の窓はアーチ窓にし手前の5階の軒回りには装飾を入れるなど、随所に変化を持たせています。
エントランスは建物のL字に曲がった個所に設けられています。
京都アパートメント003
1階の大食堂と6階の休憩室。
賃貸のアパートですが食堂やラウンジも設けられていて、なんとなく寮にも思える感じです。
食堂の写真にはバーのカウンターがあります。アパートの住人は毎夜ここで飲み楽しんでいたのでしょうね。
休憩室のソファーは中々上等な作りで、京都アパートに入居していた住民は中流以上の人たちだったことが伺えます。
京都アパートメント004
7階の屋上から比叡山を望む写真と大貸室の一部写真。
屋上は住民なら誰でも登れたようです。夏には五山の送り火が見えたでしょうし、ここで住民たちが送り火を楽しんでいたのかもしれません。
大貸室は一部だけ写っているようです。ベッドとテーブルと椅子のみのシンプルな部屋ですが、他の箇所がどうなっていたのか気になります。
京都アパート002
屋上から京都帝大を眺めた写真と部屋の内部写真。
和風の住宅が当たり前だった当時、完全な洋風の生活を目的とした部屋で、さぞハイカラだったかと思います。
この京都アパートに入居できた人たちは「腰弁」と言われたサラリーマンの中でも
比較的裕福な層だったのかもしれません。

さて、この京都アパートは現存しています。
京都アパート3
現在の京都アパートの外観。
右側の非常階段は後から付けられたもの。
京都アパート4
絵葉書とだいたい同じ方向から撮影したもの。
さすがに築80年を超えているためだいぶ老朽化していますが、6階のアーチ窓や5階軒回りの装飾など外観の姿は当時のままで保たれています。
現在は青雲寮という京都府警の寮として使用されています。
京都に残る数少ない戦前の近代的集合住宅の遺構として貴重な存在です。
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