古絵葉書・出征将兵後援絵葉書(5枚組)

出征将兵後援絵葉書001
戦時中の日本では銃後の守りとして軍を支援する団体が多く誕生しました。この絵葉書を発行した愛国恤兵財団助成会もその一つで、陸軍省・海軍省・内務省の後援団体であり、陸海軍軍人の援護を目的とした団体のようです。
この愛国恤兵財団助成会が戦地の兵士の援護を目的として発行されたのが「出征将兵後援絵葉書」で、袋には「この絵葉書の売上純益は国防献品に充てます」とあり、売り上げが戦地の兵士の慰問品等に使われたようです。
絵葉書のイラストは当時人気を博していた画家やイラストレーターが担当しています。
出征将兵後援絵葉書002
袋の裏面。絵葉書の使用権についての規定が書かれています。
以下、絵葉書を紹介していきます。続きを読むからご覧ください。
出征将兵後援絵葉書007
高畠華宵「武運を祈りて」。神社に武運長久を祈願する男女の絵。出征した人の妻と息子でしょうか。
高畠華宵は戦前の少女雑誌・少年雑誌や小説で挿絵を描いていた画家でその美人画が大変な評判を呼び、竹久夢二と並ぶ人気を誇り、豪華な自宅には多くのファンが訪れたりファンレターが届いたりしたそうです。
出征将兵後援絵葉書006
岩田専太郎「慰問袋」。戦地の兵隊さんに送る慰問袋を作っている女性の絵。
岩田専太郎は連載小説の挿絵を多く手掛けていた画家で、浮世絵風の美人画で評判となりました。
出征将兵後援絵葉書003
竹中英太郎「慰問文」。戦地の兵士に宛てた手紙を書く女性の絵。
竹中英太郎は江戸川乱歩の小説の挿絵を担当した画家で知られていますが、自身は社会主義運動に傾倒しており、当時としては確実に特高警察や憲兵に目をつけられるはずの人物であったはずです。よく陸軍省・海軍省や警察組織を管轄していた官庁である内務省後援の団体の絵葉書のイラストに採用されたものです。
出征将兵後援絵葉書005
多田北鳥「慰問文」。届いた慰問袋の手紙を読む兵隊さんの絵。
多田北鳥は大正後期から昭和戦前期にかけてキリンビールなどのポスターのイラストを多く手掛けた画家で、戦前のポスターといえばこの人のイラストとも言えます。この絵葉書のイラストはややラフな感じにも見えます。
出征将兵後援絵葉書004
富田千秋「慰問袋と兵士」。戦地にて慰問袋を受け取り喜ぶ兵隊さんの絵。
富田千秋は挿絵画家として新聞や雑誌・小説の挿絵のイラストを手がけた画家です。
特に美人画を得意としていましたが、そのせいかこの絵葉書のイラストの兵隊さんもまるで宝塚の男装の麗人のようないでたち。このイラストを見た軍の偉い人から「このような女々しい皇軍兵士がいるか!」と怒られなかったのでしょうか(笑)

この絵葉書のイラストを手がけた画家は全員が本や雑誌の挿絵やポスターで美人画を得意として描いていただけに、戦意高揚と出征兵士後援と言う性格の絵葉書でありながら絵の作風はどことなく艶やかで柔らかな感じがするのが面白いところではあります。
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