冊子・洛東アパート(光華寮)

洛東アパート001
洛東アパートは昭和6年に京都大学の敷地の東に建設されたアパートで、設計は土浦稲城。戦前・戦後のモダニズム建築の作品を多く手掛けた土浦亀城の実弟に当たります。
デザインは昭和戦前期より流行したモダニズム建築で、外観に装飾がないすっきりとしたデザインとなっています。
このパンフレットは、発行年は書かれてませんが、完成間もないころに発行されたものと思われ、表面には洛東アパートを紹介する文章と外観写真および室内のパース図。裏面は各階の平面図が書かれています。
洛東アパート2
※クリックで拡大します。
表面の内容。洛東アパートはアパートでありながら1階にはホテルの機能も備えていたようです。
洛東アパート3
※クリックで拡大します。
裏面の各階平面図。
1階には大食堂やホテル機能があり、地下には厨房や理髪店など割と中流以上を対象としたアパートだったのかもしれません。

洛東アパートは昭和19年、日本政府により日本国内各地の大学にいる留学生に対し「留学生教育非常措置」に基づいて京都大学で集合教育を実施。昭和20年に洛東アパートを中国からの留学生の寮とするため「光華寮」という名称に変更し使用を開始。
この時期に所有権が移ったのでしょうか。
終戦後、留学生の集合教育は廃止され、京都大学は光華寮の管理を終了しました。
昭和25年に中華民国駐日大使館が光華寮を購入。しかし、所有権をめぐって日中間の外交問題にまで発展した「光華寮訴訟」が起きました。
旧光華寮
現在の洛東アパート。住人はおらずかなりの老朽化が目立ち窓ガラスも割れたままで周りは侵入防止のフェンスで覆われていますが、未だ京都華僑総会が所有しているため、取り壊せず廃墟化した形で放置されています。
京都アパート3
京都市内には同じ昭和6年に建設されたアパート建築が現存しています。
洛東アパートにやや近い場所にある現在京都府警の青雲寮として利用されている旧京都アパートで、
洛東アパートとともに貴重な戦前京都のアパート建築です。
設計は別の人ですが、デザインはもちろんプランもどことなく洛東アパートと似通ってます。

※関連記事 古絵葉書・京都アパート
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コメント

はじめまして

こんにちは
「青雲寮」取り壊しニュースから検索でこちらへ参りました。
とても素敵なブログですね。
これからじっくり楽しませていただこうと思います。
わたしは主に展覧会の感想と、記憶と記録のために近代建築の写真などを挙げるブログを運営しています。
勝手ながらリンクさせていただきました。
いつか資料をお借りするときがあれば、その際には挙げられている注意事項に沿って、お借りしたいと思います。
今日は初めて知ったことが嬉しくて、ツイッターにもこちらのブログを紹介させていただきました。
今後も更新を楽しみにしています。

遊行さま
はじめまして。当ブログにお越しいただきありがとうございます。
青雲寮取り壊しと聞いて記事にあるこの建物が壊されるのかと思い調べましたが別の建物なんですね。ちなみに旧京都アパートの記事もありますので良ければご覧ください。
資料の使用でご希望のものがありましたら遠慮なくお申し出ください。また良ければお越しくださいませ。

ありがとうございます

おはようございます。
早速のお返事ありがとうございます。
今後よろしくお願いいたします。
とても充実した資料ブログ、本当に素敵です。

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